2017年12月31日 福音によせて

聖家族(祝)(B年)

福音=ルカ2:22-40


「幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた」(ルカ2:40

 

 今日の福音において、ルカはシメオンの口を通して、イエスがメシアとしてたどるであろう運命について預言的に語らせる。

 「この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。」(2:34

 「定められている」と訳されているケイマイというギリシア語は、人や物などが「置かれている」状態を表すが、ここで使われているように「運命づけられている」という意味も表す。この言葉は、ルカ福音書2章のなかで、ここ以外に二箇所で使われている。それは幼子イエスが飼い葉桶の中に「寝かされている」という箇所である(12,16節)。イエスは、赤ん坊が寝かされるのにふさわしい場所ではなく、飼い葉桶の中に「寝かされた」。イエスはその誕生の時から、「飼い葉桶」に象徴されるものに「運命づけられていた」ということをルカは暗示している。その意味で、「飼い葉桶」とは人々の拒絶の象徴と言える。

 パウロは『テサロニケの信徒への第一の手紙』のなかで、ケイマイという言葉を「運命づけられている」という意味で次のように使っている。

 「わたしたちが苦難を受けるように定められていることは、あなたがた自身がよく知っています。」(3:3

 イエスご自身が、その誕生の時から、十字架へと「運命づけられていた」ように、主に従って生きようとする私たちも、この世ではさまざまな苦難を受けるように「定められている」のかもしれない。しかし、主はいつも私たちと共にいてくださり、共に重荷を負ってくださる。イエスご自身もナザレにおいて両親とともに旧約聖書を通して語られる神のことばを聞き、祈り、自らの信仰を深めていかれた。聖家族の模範は今も決して古びることなく、現代を生きる私たちに示されている。