2016年11月13日(日)

年間第33主日C

 

福音=ルカ21:5-19


「忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい」(ルカ21:19

 

 ルカ215-38節は、終末を描く黙示的な内容である。聖書のなかには「黙示文学」と呼ばれる文書があり、旧約聖書では『ダニエル書』、新約聖書では『ヨハネの黙示』がその代表的なものである。

 紀元前2世紀頃、シリア王によるユダヤ教に対する迫害が起こり、ユダヤ人たちの間に、メシア到来に対する熱烈な待望が生じた。「黙示文学」は、こうした精神的な背景のなかで起こった。そして、このような思想は新約聖書にも影響を及ぼした。新約聖書の著者たちは、イエスの死と復活によって終末の時が到来したと信じていたので、終末に関する黙示的な表現を借用して、自らの信仰を書き表した。

 しかし彼らは、終末に先立って起こるとされていた天変地異や大きな艱難などの描写によって、人々をいたずらに熱狂や不安に陥れるのではなく、むしろそれを沈静化させ、終末を迎える基本的態度として「目覚めている」ことを強調した。

 今日の福音では、「忍耐」(19節)ということが強調されている。「忍耐」と訳されているギリシア語「ヒュポモネー」は、単に「我慢する」ことではなく、「神のもとにとどまる」こと、すなわち「神を辛抱強く待ち望む」という意味と、「この世のもとにとどまる」こと、すなわち「この世を耐え忍ぶ」という二つの意味が合わさった言葉である。つまり、「忍耐する」とは、「この世にあって、しかも神のもとにあって生きる」という生き方を表す。社会のなかにしっかりと根を下ろしながら、それに尽きることなく、神の意志を社会のなかに実現していくことが求められている。

 

 紀元前120年頃に要塞が建設され、後にヘロデ大王が離宮兼要塞として改修し、難攻不落と言われた。66年にローマ帝国との戦争が始まり、70年にティトゥス率いるローマ軍によってエルサレムが陥落した後、熱心党員を中心としたユダヤ人967人がエルアザル・ベン・ヤイルに率いられてマサダに立てこもり、ローマ軍15千人がこれを包囲した。ユダヤ人たちは2年近く抵抗したが、73年ついにローマ軍によって攻め落とされた。陥落直前にユダヤ人たちは、投降してローマの奴隷となるよりは死をと、2人の女と5人の子供を残して全員が集団自決したという。その後、長い間その所在が分からなくなっていたが、1838年にドイツ人研究者によって発見された(「ウィキペディア」)。