2016年10月16日

年間第29主日C

福音=ルカ18:1‐8


「神は速やかに裁いてくださる」(ルカ18:8

 

 17章で語られた終末の裁きの警告に続いて、今日の福音である「やもめと裁判官」のたとえが語られる。

 旧約の審判預言者にとって、彼らに神から託されたことばは、神に背く者たちに差し迫る裁きの告知であり、その理由となる罪の告発は預言者自身のことばであるのがふつうである。預言者は背きの現状を告発し、それゆえに裁きが下ると語るが、預言者自身の認識としては、神の裁きが迫っているということがまずあって、その裁きの確信が背きを告発するという順序になっている。

 このような旧約の預言の伝統に立って考えると、ユダヤ人たちにとって、終末の裁きが彼らの信仰においてどのように位置づけられているかが自ずとわかる。たとえに登場する裁判官ですら、最後には自らの行為に対する報復があることを知っている。

 「ひっきりなしにやって来て、わたしをさんざんな目に遭わすにちがいない」(18:5)-直訳すると、「しまいにはやって来て、わたしの顔を殴りつける」となる。やもめ(弱い者)に暴力を振るっていた裁判官(強い者)が、最後にはやもめから殴り返される、というのだ。やもめに代表される弱い人々、圧迫された人々の叫びを神は必ず聞き入れて、彼らの味方になって裁いてくださる。今日の福音は、神に祈り続ける信仰と、それに応える神の保護という二つを強調する。